Jump to main content
IndustriALL logotype
Article placeholder image

アルセロール・ミッタルにおける労働者の安全にむけた共通の取り組み

15 September, 2011

アルセロール・ミッタルにおける安全向上のための会社と組合による共通の取り組みとして2008年6月に設立されたアルセロール・ミッタル衛生安全委員会は、8月15日初の活動報告書「共に安全のために」を発表した。2008年以降、同社の死亡者数は減少しているものの依然として受け入れがたいほど高いままである。

グローバル:2008年6月、アルセロール・ミッタルの使用者側と組合側は、同社の子会社における高い死亡者数に取り組むため合同衛生安全委員会を設立する協定に調印した。同委員会はIMF、EMF(欧州金属労連)、全米鉄鋼労働者組合、ブラジルCNM-CUT(全国金属総連合)の代表者、鉱山地域の代表者、同社の衛生安全担当代表者で構成されている。

2011年8月15日、世界合同衛生安全委員会は初の報告書を発表、同委員会が死亡者数(減少)にプラスの効果を及ぼしたとの結論を下し、労働組合と使用者側の職場での良好な協力によるものだとした。

委員会はその開始以来、各地方に衛生安全委員会を設立し、カザフスタン、ブラジル、メキシコ、チェコ共和国、ルーマニア、南アフリカ、米国、アルゼンチン、ウクライナにある同社の主要な現場の視察を行った。こうした視察中に現地の組合員と使用者側が同委員会のメンバーと会って現地の安全状況を検討し、衛生安全行動計画を開発した。同委員会はその後フォローアップ視察を行ってきた。

同委員会は職場での事故件数、特に死亡者数にプラスの効果を及ぼし、労働者が直面するリスクを減らすことができたとの結論を下した。また国内と世界レベルにおいて、組合と使用者側の意思疎通や協力関係の向上に貢献してきた。

しかし、同委員会は昨年の死亡者数の増加(2009年の36人から2010年の41人)にも言及し、組合からも使用者側からも受け入れられがたいほど高いとしている。

組合と使用者側間で争点となる問題も残されている。同社は安全及びその関連活動のための、違反罰則も盛り込んだ一連の「ゴールデン・ルール」を発表したが、これには違反に対する罰則が含まれている。しかし、組合はこの違反懲罰政策によって、労働者が小さな事故やニアミスを報告しなくなり、安全管理の文化が怠慢化し、安全が妨げられることを恐れている。

安全衛生研修の要請への対応に一貫性がない、事業部門や現場の中には衛生安全の対話が不十分な所があるといった共通の批判もある。

両当事者は同委員会の活動に協力し続けており、共同報告書および添付の組合声明と使用者側声明は効果的な対話と職場文化構築への意欲の証だと考えている。

報告書「共に安全のために」は既に英語で発行されており、フランス語、スペイン語、ドイツ語、ポルトガル語でも出版される予定。

さらに詳しい情報は合同委員会の共同委員長ロブ・ジョンストン[email protected]
にご連絡頂きたい。