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HIV/AIDS ニュースレター 第14号

9 November, 20062006年11月

12月1日は世界エイズデー

12月1日は、各国で蔓延しているエイズについて世界の人々に認識してもらうことを狙い、1988年から世界エイズデーとなっている。

今年の世界エイズデーは“ストップ・エイズ:公約を守ろう!”というスローガンの下、アカウンタビリティ(説明報告責任)がテーマとなっている。

労働者及び労働組合は世界エイズデーを成功させるのに重要な役割を果たしてきたが、その努力は往々にして認められていない。世界のリーダーたちは2010年までにHIV/AIDSの予防、ケア、支援及び治療のサービスのユニバーサルアクセスを実現する、と公約した。そして、労働組合と労働者にとっては、この公約が各職場で実現することが肝要となるわけである。

ICEM加盟組織は汚名、差別及び迫害に反対し、予防、ケア、支援及び治療を求めるキャンペーンに参加していただきたい。ICEMのウェブサイトにHIV/AIDSについての文書・教材を転載していますので、ご参照ください。(www.icem.org/72-HIV-AIDS

世界エイズキャンペーンは職場におけるHIV/AIDSサービスへのユニバーサルアクセススローガンのポスターを作って、国際労働組合運動と協力して活動を展開してきた。

皆様の組合が実施された関連活動についてお知らせください。

 

労働組合、HIV/AIDSに焦点を当てた活動を展開

10月19日から20日にかけて、HIV/AIDSに関するグローバルユニオン計画の特別会議がナイロビで開催され、UNGASS、G8キャンペーン及び国際エイズ会議など2006年度の主要会議における国際労働組合のロビー活動、即ち、エイズとの闘いにおける労働組合の重要な役割を強調するロビー活動について検討した。

エイズ感染拡大の予防、エイズと共に生きている人々のためのケア、エイズによる差別や迫害との闘いについての実効ある戦略の策定に向けて、労働組合活動家たちは有益な情報や意見を交換した。会議では、また、新しいパートナーシップについて討議するとともに、世界エイズ・結核・マラリア対策基金の活動とプロセスにおける労働組合の関与と世界基金の国別調整機構に労働組合委員の参加についての論拠が提示された。

ガーナ鉱山労組のジョン・ブリムポング及びボツワナ鉱山労組のアニエス・マノウェがICEMを代表してこの会議に参加した。

(出所:TUCメールニュースレター、International Development Matters. No.52 2006年10月)

 

世界基金、新専務理事を選出できなかったが、第6次支援案件を承認

グアテマラ市で開かれた世界エイズ・結核・マラリア対策基金の理事会では5人の理事長候補者の中から選ぶことが出来なかった。

重要な案件は3分の2以上の賛成票、つまりドーナー国理事10名の内の7名と途上国理事10名内の7名以上の賛成を必要とする。5名の候補者内で、規定以上の賛成票を得た候補者は誰もいなかった。

理事会は再度、候補者を探し、2007年2月に特別理事会を開催し、新しい専務理事を選挙する予定である。

理事会は第6次支援案件を承認した。これらの案件の最初の2年間のコストは8億4600万ドルとなり、計画完了までの5年間に25億1900万ドル掛かる予定である。最近新たに援助資金が供与された結果、世界基金は専門家検討委員会が勧告したすべての案件に十分援助できるだけの資金を持っている。合計196件のプロジェクトの申請があり、85プロジェクトが承認された。承認率は43%。第1次から第6次までに申請されたプロジェクト数は1,184件で、承認されたのは444件。承認率37,5%である。

理事会はまた、第7次支援案件審査の申請要綱を2007年3月1日までに提示し、2007年7月初めの締め切りとすることを決めた。第8次支援案件審査は同じパターンで1年後に実施される予定である。早い時期に申請要綱を発表することにより、プロジェクトの立案と企画をこれまでより早く始めるよう、申請組織に奨励するのが狙いである。

理事会はさらに、特定の状況下において、国別調整機構が、援助が終了しようとする時に、最高6年間のさらなる援助申請をすることを可能にするローリング継続チャンネルの設置の設置を承認した。しかしながら、このような援助期間延期の資格を得るのは最高25%から30%のプロジェクト計画のみとなる。世界基金の継続サービス政策方針は、治療をすでに受けている人々を対象とした治療中心のサービスを対象に2年分の援助金を支給するのみである。

(出所:Global Fund Observer 66号、67号、68号)

 

UNITAID、活動を開始

UNITAID(国際医療品購入ファシリティ)は2006年9月に開催された国連総会期間に公式に設置された。同組織の理事会は10月9日に第一回目の会議を開いた。WHOが当該組織の事務局と業務を担当する。

UNITAIDは2006年7月1日にフランスが最初に導入した航空券税制度を通じて資金を調達する。このイニシアチブの設立メンバー諸国はブラジル、チリ、フランス、英国、ノルウェー並びにクリントン財団である。当該財団は最も低い価格で医薬品の大量購入を可能にしている。UNITAIDは世界基金に6950万ドルを寄付した。これらの資金の大半は第6次支援案件の経費に当てられることになっているため、抗レトロウィルス治療薬の投薬の対象となる患者数が増えることになる。

(出所:フランス外務省のホームページ)

 

南ア金属労組(NUMSA)、HIV/AIDS計画を実施する自動車メーカーを賞賛

南アのNUMSAはイースターンケープ地域に進出し 、実効あるHIV/AIDS福祉計画を実施している自動車メーカーを賞賛した。HIV/AIDSと闘う南アフリカ・ビジネス・コアリションが開催したワークショップは企業の自社が実施する医療福祉計画を改善する方法についての意見交換の場を提供した。

ダイムラー・クライスラー社は過去5年間に従業員の96%が少なくとも1回HIVテストを受けた、と述べた。テストを受けた従業員の10%近くが陽性者である。同社の衛生部長は、同社の場合、解雇あるいは退職した労働者もHIV/AIDS治療計画で治療を受けることができる、と衛生部長は述べた。

しかし、ワークショップではまた、HIV/AIDSを無視することにより生じる長期的なネガチブなインパクトについて理解していないため、中小企業はHIV/AIDS計画を実施していない事実が判明した。

(出所: The Herald、10月23日)

 

南アフリカ: HIV/AIDSとの闘いの新しい方向性?

南アのナショナルセンター、 COSATUの書記長、ズウェリンジマ・ヴァヴィは政府の総合的なHIV/AIDS計画の実施と南アフリカAIDS協議会(SANAC)の活性化を指導する各省連絡調整委員会の設置を歓迎した。SANACは副大統領が議長を務め、委員会の副議長は市民社会の代表が就任することになっている。

厚生省が過去に発表した声明とはまったく異なる形で、厚生副大臣は政府の役割を定義し、「私たちはすべての混乱を取り除くために出来るだけのことをする必要がある。私たちはこれ以上、死亡者を出してはならない。抗レトロウイルス治療薬の代わりに特定の食物を食べる必要があるというのは間違った情報であると人々に教えることが肝要である。」と述べた。

(出所: Star and Business Day, 2006年11月1日)

 

労働組合行動計画のケース・スタディー

“Global Reach: How Trade Unions are Responding to AIDS” (グローバルリーチ:労働組合はいかにエイズと取り組むべきか)がUNAIDS のベストプラクティス集の一部として、ILO及びHIV/AIDSに関するグローバル組合計画と共同で刊行された。

当該報告書は働く人々と彼らの組合組織の力がHIV/AIDSとの闘いにいかに大きな武器となるかを示唆している。労働組合の職場におけるHIV/AIDS問題の取り組み方法を11件のケース・スタディーが示されている。汚名や差別との闘い、感染リスクを高くするファクターについての取り組み、予防についての組合員教育、ケアと治療の提供、HIV/AIDS問題についてのキャンペーンについてのグローバルレベルの協力体制の構築などについて事例を挙げて説明している。

この刊行物はwww.unaids.org.でアクセスすることができる。